関 博和

(せき ひろかず)

せき接骨院院長/ぴゅあスリムプロポーション矯正センター院長
1964年長野県岡谷市生まれ。1985年柔道整復師免許取得。1990年長野県岡谷市にて「せき接骨院」開業。健康管理士一般指導員/介護予防運動指導員/姿勢教育指導士。講道館柔道3段。著書に『「ふくらはぎを温めるだけ」で全身健康になる!』『病気になりたくなければ、ふくらはぎを温めなさい』などがある。


「ふくらはぎ」に「リカバリ」をお薦めします!

血液とリンパの流れに影響がある“第二の心臓”「ふくらはぎ」

ふくらはぎはよく「第二の心臓」といわれます。ふくらはぎの筋肉が伸縮することで、下半身に滞りやすい血液を心臓へ通し戻してくれるからです。

下半身には全身の血液の6~7割が集中しているといわれていますが、重力の影響で下半身に溜まった血液を、心臓から遠いところにある足の静脈血を戻すには、心臓だけではとても力不足のため、代わるポンプの働きが必要です。ここで活躍するのがふくらはぎです。

ふくらはぎの筋肉は、まるで乳しぼりをするように伸縮することで静脈に圧力をかけて、血液を心臓へ押し戻すポンプの役目を果たしていますが、この時の筋肉の動きを「ミルキング・アクション」といいます。重力に逆らって下半身の血液を心臓に戻すには、ふくらはぎの筋肉がしっかりと伸縮して、ポンプ機能を発揮することが必要です。これが「第二の心臓」と呼ばれている理由です。

また、心臓のように最初から送り出す機能が無いリンパ液は、まわりの筋肉が動くことでどうにか流れているという程度で、このリンパ液を循環させるためにも、やはりふくらはぎのミルキング・アクションが不可欠です。

肩こり・腰痛・膝痛・脚のむくみのある人は「ふくらは」ぎが硬い

私の治療院の患者さんは、肩こり、腰痛、膝の痛み、足のむくみの悩みで来院されてくる方がほとんどですが、その患者さんの共通点の多くは「ふくらはぎ」が硬いということです。

触ってみると柔らかそうに見える「ふくらはぎ」も、膝を伸ばした状態で足首を反らそうとすると、実際は硬くなっていて直角になったままで、痛くて反ることができない方が多いです。

「ふくらはぎ」が硬くなるその理由は、「ふくらはぎ」は露出が多いために冷えやすいことや、日常生活では、ミルキング・アクションといわる程「ふくらはぎ」を大きく動かすことが殆どないため、動きの少ない「ふくらはぎ」の筋肉は硬くなってしまうことも原因です。その結果、硬くなった「ふくらはぎ」は“第二の心臓”としての働きが十分におこうことができず、血液やリンパの流れが悪くなることで体内の疲労物質や老廃物が蓄積されることが原因の、肩こり・腰痛・膝痛・脚のむくみが起こりやすくなります。

「ふくらはぎ」を温めて「リカバリ」を貼ることをお薦めします

そのような硬くなった「ふくらはぎ」が原因でおこる、肩こり・腰痛・膝痛・脚のむくみに対しては「ふくらはぎ」を温める事をおすすめします。硬くなった「ふくらはぎ」を柔らかくするにはマッサージも良いですが、硬い「ふくらはぎ」を自分の手マッサージすることは大変な作業です。入浴等で良く温めるだけでも柔らかくなります。足湯の場合は、足首から下をお湯に入れるのではなく、「ふくらはぎ」までお湯につかるようにして下さい。そして、その後に「リカバリ」を貼ることをおすすめします。

スポーツ・治療業界で注目されはじめている「リカバリ」

最近、スポーツ業界や治療業界で「筋膜リリース」という「筋膜」に対するストレッチが注目されていますが、一般的なストレッチよりも、簡単に効果的を出すことができるストレッチ方法として、多くのプロのスポーツ選手やアスリートに評価され取り入れられています。

「筋膜リリース」は、どのような体の悩みを解消するのか、いくつかご紹介させて頂きます。

・血行促進、むくみの緩和

・疲労回復

・肩こり、腰痛の緩和

・筋肉の代謝アップによるダイエット効果

更にアスリートに対しては

・筋肉の柔軟性アップによるケガの防止

・関節の可動域が広がることで、パフォーマンスのアップにつながる

・筋肉が柔らかくなることで、筋肉の力を発揮させやすくなる

と言われています。この「筋膜リリース」と同じような効果を、限りなく近い方法が「リカバリ」を貼ることです。

「リカバリ」でしたら、筋肉の硬くなっているところを中心に軽く貼るだけですので、素人でも簡単にできます。

脚の“むくみ”や“疲れ”た「ふくらはぎ」により効果的な「リカバリ」の貼り方

「リカバリ」は大きいサイズと小さいサイズがありますが、脚の“むくみ”や“疲れ”た「ふくらはぎ」により効果的な貼り方があります。サイズは小さいサイズです。

1.足首の内側のくるぶしと外側のくるぶしの中心から、それぞれ6㎝位上に「リカバリ」の中心がくるように貼ります。(「ふくらはぎ」を内側と外側ではさむように貼ります)

2.足首を90度(直角)にした状態で「ふくらはぎ」の中心に「リカバリ」を貼ります。

これは、ツボや経絡を考えた貼り方で“ふくらポイント”と私はいっています。

私の治療院では、「ふくらはぎ」の“むくみ”や“疲れ”を訴えている患者さんや、腰痛・膝痛・肩こり等で来院される患者さんには、“ふくらポイント”に「リカバリ」を貼っていただくことをおすすめしています。「リカバリ」を貼ることで「ふくらはぎ」だけでなく身体の柔軟性もアップするため、症状が楽になる方が多いのも事実です。

「福良入氣」とかいて「ふくらはぎ」と読みます。

「良い氣を入れる(温める)ことで幸福(健康)になる」

最後に「ふくらはぎ」は第二心臓といわれているも一つの大切なことがあります。それは、「ふくらはぎ」には、全身の体の調子を整えるツボが数多く存在しています。その「ふくらはぎ」を冷やすことは、体の不調を引き起こす原因となるからです。「ふくらはぎ」を温め、常に柔軟性を保つことで、健康な生活を送って頂きたいと思っております。

「ふくらはぎ」先生 せき接骨院 院長 関 博和

【関 博和先生の著書 ご紹介】

病気になりたくなければふくらはぎを温めなさい

講談社+α文庫 C185-1
関博和/〔著〕

出版社名 講談社
出版年月 2014年1月
ISBNコード 978-4-06-281542-0 (4-06-281542-7)
税込価格 638円
頁数・縦 172P 16cm

「ふくらはぎを温めるだけ」で全身健康になる!

講談社の実用BOOK
関博和/〔著〕

出版社名 講談社
出版年月 2011年7月
ISBNコード 978-4-06-299743-0 (4-06-299743-6)
税込価格 1,320円
頁数・縦 158P 19cm